「片付けなさい」と何度言っても動かない。気づけば床におもちゃが散らばり、踏みそうになりながら片付けるのは結局自分——そんな毎日に疲れていませんか。
今回、おもちゃが散らかりやすいとお悩みの知人に、モニターとして協力してもらい、整理収納作業をさせてもらいました。作業時間は2時間ちょっと。「めちゃくちゃスッキリした」「子どもが自分で片付けてくれそうな予感がする」という言葉をもらえた今回の作業を、判断プロセスも含めてまとめます。
ご依頼者様のお悩みと、今回のゴール
今回のご依頼者様について
今回モニターにご協力いただいたのは、小3と年長の兄弟を育てるママ。事前ヒアリングでお聞きしたお悩みは、部屋におもちゃが溢れていること。おもちゃが床に散らばっている状態をスッキリさせたい、というのがご要望でした。
当日のヒアリングで見えてきたこと
当日、実際のお部屋を見ながら詳しくヒアリングしました。
子どもたちの片付けについては、兄は言われたら渋々やるけれど、弟はまったくやらない。「自分から片付けてくれるようになってほしい」というのが、ご依頼者様の切実な願いでした。
最近よく遊んでいるものを聞くと、ニューブロックとベイブレード、他にはパズルや戦いごっこのグッズなど。一方で、普段あまり遊んでいないおもちゃでも「あれどこ?」と急に思い出して探すことがあるため、何をどこまで残すかの判断が難しいという話もありました。
また、ご依頼者様としてはラキューやビー玉コース、トランプや知育カードなど知育系のおもちゃで遊んでほしい気持ちがあるものの、子どもから手が伸びる頻度は少なめ。溜まっていく一方の子どもの作品も悩みの種。さらにテレビ台の引き出しにもおもちゃや作品が流れ込んでしまっているのも、気になっているとおっしゃっていました。
当日のゴール
ヒアリングと現状確認を踏まえ、当日のゴールを設定しました。
床に散らかったおもちゃの定位置を決めること。
子どもが自分で片付けられるような、おもちゃの定位置を決める。床にバラバラと転がるおもちゃをなくし、お部屋をスッキリさせる——その状態を目指して、作業をスタートしました。
【ビフォー】床に散らばるおもちゃたち
実際の様子と、私が気づいたこと


部屋に入ってまず目に入ったのは、床に散らばったおもちゃ。さらに細かく見ていくと、収納と使い方のミスマッチが起きていることに気づきました。
収納エリアは大きく3つ——カラーボックス系の棚、扉付きの縦長収納(クリア素材で中が見える)、ワゴン。
ヒアリングでよく遊ぶと聞いていたニューブロックが、扉付き収納に入っていました。取り出すのに一手間かかる場所に、一番使うものがある。これでは子どもが自分で出し入れするのが難しい。また、ボリュームのあるおもちゃも扉付き収納に入っていて、出し入れが難しい状況になっていることが気になりました。


また、一部のおもちゃや作品がテレビ台の引き出しにも入っていました。複数箇所に分散していることで、定位置が決まらず、管理しにくい状態になっていました。
実際の作業ステップ
同じような悩みを持つ方の参考になればと思い、「なぜその収納にしたか」の判断の理由も含めて。
ステップ① 遊んでいないものを手放す
最初に取り組んだのは、おもちゃや作品の見直しです。
まず床に散らばっているものを一か所に集め、ご依頼者様に判断していただきました。その後、収納スペースを一箇所ずつ開けながら、中のものを出して同じように確認を進めていきました。残す・手放すの判断はすべてご依頼者様自身に。私は判断を促す役割です。
今回はご依頼者様の判断が早く、スムーズに進みました。結果としてゴミ袋2袋分を手放すことに。
どんなに収納を工夫しても、量が多すぎると管理しきれません。「仕組みを整える」前に「量を見直す」のが、整理収納の基本の順序です。
ステップ② 「使うのは誰か」「どれくらい使うか」で分類する
手放すものが決まったら、残ったおもちゃを分類していきます。同じ場所に置くもの同士を集めるイメージです。
今回のゴールとしては、子どもが自分で片付けられるように、おもちゃの定位置を決めること。ヒアリングと整理の作業を経て、今回は以下の3グループに分類しました。
- 子どもが自発的に遊ぶもの(ニューブロック、ベイブレード、パズル、戦いごっこのグッズなど)
- ママ起点で使うもの(ラキュー、ビー玉コース、トランプ、知育カードなど。ヒアリングで「遊んでほしいけれど子どもから手が伸びる頻度は少なめ」と確認していたもの)
- 子どもが大切にしているもの(本人が責任を持って管理しているもの)
次に、それぞれのグループの中で使用頻度別に細分化。特に「子どもが自発的に遊ぶもの」の中でも、毎日のように手が伸びるものとたまに使うものでは、しまう場所の優先度が変わってきます。
ステップ③ グループごとに場所を決めて収納する
分類が終わったら、いよいよ収納です。今回は現状ある収納用品を活かすという方針で進めました。
子どもが自発的に遊ぶもの → 棚・ワゴンへ
子どもが自分で出し入れする場所は、取り出しやすさが最優先。使用頻度と形状に合わせて以下のように分けました。
- よく遊ぶもの(ニューブロック、戦いごっこ、ベイブレードなど)→ 蓋なしのカゴへ。ポイポイ放り込めば片付け完了。棚へ配置。
- サイズが大きめのおもちゃ→ 棚へ配置。
- たまに遊ぶ細々としたもの → ワゴンへ配置。
細かいものを分けたい箇所は、紙袋を活用して仮の仕切りに。使い勝手を確認してから収納用品を検討するようにお伝えしました。これが、手軽に始められるコツでもあります。
細かく分類された収納や蓋のある箱は、大人でも億劫になります。片付けに取り掛かりやすくするために、ワンアクションで出し入れできる仕組みにする——これは年齢や性格に関係なく有効な考え方です。
ママ起点で使うもの・子どもが大切にしているもの → 扉付き収納へ
ママ起点で使うおもちゃは、扉付き収納に。また、子どもが大切にしているおもちゃも、丁寧に扱えるように扉付き収納にしまうことにしました。クリア素材で中が見えるため、何がどこにあるかの把握もしやすい仕様です。
作業しながら決めたこと
作品の扱いについて
壊れているものや類似するものが重複している場合は数を減らし、残った作品は一箇所にまとめて専用の収納スペースへ。「作品はここ」という定位置ができました。また、スペースに収まる分だけを取っておくということも一緒に確認しました。
作業中に「作品ってどうしたらいいんだろう?」という話が出ました。
わが家の子どもたちの傾向として、できたタイミングで見える場所に飾ると満足感が高まり、その後手放しやすくなることが多いです。また、写真に残すことで「記録してある」という安心感から手放せることも。そういって経験も踏まえて、「写真に残して作品自体は手放す」、「一定期間飾った後に手放すかしまうかを判断する」「スペースがいっぱいになったタイミングで、収まる分だけを厳選する」などを考え方の一つとしてお伝えしました。
テレビ台の引き出しの仕組み
テレビ台の引き出しに入っていたおもちゃと作品をそれぞれの定位置に移動させたことで、丸々空きスペースに。
「ここ、使えそう」という会話から、売る・譲るおもちゃの一時保管スペースとして活用する仕組みを決めました。次の手続きをするまでの置き場所があることで、使うおもちゃとの混在や、保管場所の忘れ防止にもなります。
【アフター】2時間後の部屋



作業後、ご依頼者様からこんな言葉をいただきました。
「めちゃくちゃスッキリした!短時間で(2時間ちょっと)ここまでスッキリできて満足度が高い。子どもが自分で片付けてくれそうな予感がする。」
「片付けてくれそうな予感がする」——この言葉が一番うれしかったです。仕組みが変われば、動きが変わる。そのことを改めて実感した作業でした。
まとめ
今回の作業を通じて、改めて感じたことがあります。
「誰が使うか」によって設計が変わる
よく使うものを取り出しやすくするのは収納の基本ですが、「子どもが自分で出すもの」「ママが声をかけて使うもの」という視点を加えることで、定位置が決まりやすくなります。そして、「子どもが自分で出し入れする場所」と決めたなら、子どもがやりやすい収納方法を選ぶことが大切です。使う人を起点に考えることで、収納の仕組みも決まっていきます。
今回手放したのはゴミ袋2袋分。量を減らすことと、使いやすい仕組みをつくること——この両輪があってはじめて、片付く状態が続きます。
今回モニターにご協力いただいたご依頼者様に、心から感謝申し上げます。
整理収納は、一度仕組みをつくればそれで終わりではありません。家族の成長や生活の変化に合わせて、見直し続けるものだと思っています。この記事が、おもちゃの収納に悩むどなたかの「最初の一歩」になれば嬉しいです。

